皆川 智彦写真集『東京坂道100景』発売記念 展示&イベント 写真展『東京坂道百景/手漉き和紙による四十四景』
「坂道がまるで異界への入口であるかのように見え、私の知らない坂道がそこにあった」(『お江戸・東京 坂タモリ 新宿・渋谷・目黒区編』写真・著/タモリ)より
2026年7月29日(水)に刊行される皆川智彦写真集『東京坂道100景』の発売を記念し、2026年8月19日(水)から8月25日(火)の期間、特別展示&イベントを開催いたします。
「幽霊坂」「胸突坂」「異人坂」「三分坂」……。東京23区内には、名の付いた坂だけでも900ほどあるといわれています。2025年9月に開催された写真展『都市に潜む異形の道/東京坂道三十六景』では、時間や季節、天候によってさまざまな表情を見せる坂道の姿を捉え、大きな反響を呼びました。
坂道写真の第一人者として知られるタモリ氏は、その魅力を次のように語っています。
「去年、坂道写真家の皆川智彦さんから個展へのご案内をいただき、初めてその存在を知った。早速拝見しに行って驚いた。私の坂道は、昼間で天気がよく、しかも人も車もいない風景が最高と思っていたが、皆川さんの坂道写真は夜で天気が悪く、しかも人も車もいる風景だった。これが実にいい。坂道がまるで異界への入口であるかのように見え、私の知らない坂道がそこにあった。」(『お江戸・東京 坂タモリ 新宿・渋谷・目黒区編』〈写真・著/タモリ ART NEXT刊 2026年〉より)
今回の展示では、写真集『東京坂道100景』に収録された作品を中心に、44点を展示いたします。作品はすべて手漉き和紙にプリントされ、浮世絵にも通じる独特の質感と世界観をお楽しみいただけます。
人はなぜ坂道に惹かれるのでしょうか。時に異界への入口となり、時に街の記憶や人々の営みを映し出す坂道。その風景のなかに、東京という巨大都市の知られざる姿が浮かび上がります。ぜひ会場にて、その魅力をご覧ください。
皆川 智彦氏より写真展開催のごあいさつ
二十歳の頃、私はただ外国へ行ってみたいという思いだけで横浜から船に乗り、シベリア鉄道に乗って旅に出ました。それから四十年以上が過ぎた今、東京で夜の坂道を歩いていると、時折、その頃の自分を思い出します。見知らぬ土地へ向かって歩いていた若い日の感覚です。そして、ある時ふと気がつきました。
坂道を歩くことは、旅によく似ている。
坂道は、一歩進むごとに景色が変わる。先が見えない不安や期待があり、冒険の気分も少しだけある。ロマンもある。もちろん、旅と比べればほんの短い時間にすぎません。それでも坂道には、人の心をどこか遠くへ連れて行く力があります。
SNSに写真を投稿すると、「子どもの頃の記憶がよみがえった」「昔住んでいた街を思い出した」といった感想をいただくことがあります。私は、写真の大きな力のひとつは、人の記憶を呼び起こすことにあると考えています。
私が撮りたいのは、単なる風景写真ではありません。見る人それぞれの心の中にある記憶や感情を映し出す、鏡のような写真です。そして坂道は、その心の扉を開く「鍵」となる風景なのだと思っています。
この写真展が、皆さまにとってそれぞれの記憶や物語へと続く、小さな旅の入口になればと願っています。
開催記念のトークイベント
今回の写真展開催を記念し、期間中に合計4回のトークイベントを開催いたします。
いずれも「坂」をテーマに各回ごとに異なるゲストをお招きした内容となっておりますので、この機会にぜひご参加ください。
なお各回すべて事前予約制(定員20名:参加無料)となっております。各トークイベントの最後にそれぞれお申込みフォームへのご案内を入れておりますので、お間違いやお申込みをお忘れないようご注意ください。
【8月19日(水)開催】『東京は世界遺産級に面白い ― スリバチと坂道から読み解く東京の魅力 ―』ゲスト:東京スリバチ学会会長 皆川 典久氏
2026年8月19日(水)18:30~は、東京スリバチ学会の会長を務める皆川 典久氏をお招きし『東京は世界遺産級に面白い ― スリバチと坂道から読み解く東京の魅力 ―』をテーマにしたトークイベントを開催いたします。
【詳細】
日時:2026年8月19日(水)18:30~
ゲスト:皆川 典久氏
タイトル:『東京は世界遺産級に面白い ― スリバチと坂道から読み解く東京の魅力 ―』
皆川 典久(Norihisa Minagawa)
1963年群馬県前橋市生まれ。東京スリバチ学会会長。一級建築士。東京の谷や窪地、高低差のある地形に魅せられ、2003年に東京スリバチ学会を設立。以来、地形を手がかりに街の歴史や文化を読み解くフィールドワークを続けている。『タモリ倶楽部』『ブラタモリ』などへの出演を通じて、地形から東京を楽しむ視点を広く紹介。著書に『東京スリバチ地形入門』『凹凸を楽しむ 東京「スリバチ」地形散歩』『東京スリバチ街歩き』『世界遺産級都市 東京地形探訪』『東京スリバチ地形大全』など多数。現在も建築設計の仕事に携わる傍ら、地形を切り口に東京の魅力を発信し続けている。
【8月21日(金)開催】『渋谷川と目黒川が織りなす歴史の旅― 古地図と写真で読み解く坂と街の成り立ち ―』 ゲスト:古道・古地図研究家 荻窪 圭氏
2026年8月21日(金)18:30~は、古道・古地図研究家の荻窪 圭氏 をお招きし『渋谷川と目黒川が織りなす歴史の旅― 古地図と写真で読み解く坂と街の成り立ち ―』をテーマにしたトークイベントを開催いたします。
【詳細】
日時:2026年8月21日(金)18:30~
ゲスト:荻窪 圭氏
タイトル:『渋谷川と目黒川が織りなす歴史の旅― 古地図と写真で読み解く坂と街の成り立ち ―』
荻窪 圭(Kei Ogikubo)
1963年愛知県生まれ。ITライター、猫写真家、古道・古地図研究家。古地図や地形を手掛かりに、東京に残る古道や歴史の痕跡を読み解く活動を続ける。長年にわたり古地図の収集と古道探索に取り組み、『東京「多叉路」散歩』『江戸・東京 古道を歩く』『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』『古地図と地形図で発見! 江戸・東京の「はじまり」を歩く』『古地図で訪ねるあの頃の東京』など著書多数。『タモリ倶楽部』への出演をきっかけに広く知られるようになり、現在も各地の街歩き講座やフィールドワークのガイドとして活躍している。
【8月22日(土)開催『この道のむこうへ ― 希望を写す写真の力 ―』 ゲスト:写真家 ハービー・山口氏
2026年8月22日(土)15:00~、写真家で日本写真芸術専門学校の校長も務めるハービー・山口氏をお招きし『この道のむこうへ ― 希望を写す写真の力 ―』をテーマにしたトークイベントを開催いたします。
【詳細】
日時:2026年8月22日(土)15:00~
ゲスト:ハービー・山口氏
タイトル:『この道のむこうへ ― 希望を写す写真の力 ―』
ハービー・山口(herbie・Yamaguchi)
1950年東京都生まれ。写真家。大学卒業後23歳から10年間ロンドンに滞在し、折からのパンクロック・ムーブメントの中で多くのミュージシャンや若者たちを撮影し高い評価を受ける。幼少期の長い闘病経験から、写真のテーマを『生きる希望』とし人物を撮り続けている。写真活動に加え、エッセイの執筆、ラジオパーソナリティー、ギタリスト布袋寅泰への作詞提供など多方面で活躍。2011年度日本写真協会賞作家賞受賞。大阪芸術大学客員教授、九州産業大学客員教授を経て、現在は日本写真芸術専門学校校長を務める。
【8月23日(日)開催『写真の距離感 ― 半世紀以上、人と街を見つづけてきたまなざし ―』 ゲスト:写真家 大西みつぐ
2026年8月23日(日)15:00~は、写真家の大西 みつぐ氏 をお招きし『写真の距離感 ― 半世紀以上、人と街を見つづけてきたまなざし ―』をテーマにしたトークイベントを開催いたします。
【詳細】
日時:2026年8月23日(日)15:00~
ゲスト:大西 みつぐ氏
タイトル:『写真の距離感 ― 半世紀以上、人と街を見つづけてきたまなざし ―』
大西 みつぐ(Mitsugu Onishi)
1952年東京深川生まれ。写真家。1974年東京綜合写真専門学校卒業。1970年代より東京の下町や湾岸地域を撮影し続ける。人々の日常の営みと都市の変化を独特の距離感で捉えた作品で高く評価されている。1985年「河口の町」で第22回太陽賞、1993年「遠い夏」ほかにより第18回木村伊兵衛写真賞、2017年日本写真協会賞作家賞を受賞。2017年には自主映画監督作品『小名木川物語』を公開。2020~2025年度まで木村伊兵衛写真賞選考委員を務めた。代表作に『WONDER LAND』『遠い夏』『下町純情カメラ』『TOKYO EAST WAVES』など。現在も東京の下町を中心に撮影を続けている。
皆川 智彦氏 在廊予定
皆川 智彦氏は以下の日程でB1Fベースメントギャラリー内に在廊をご予定されています。
※ ⽇時は変更になる可能性があります。
詳細は皆川 智彦⽒のFacebookにて告知しますので、ご確認のうえお越しください
- 8月19日(水) 10:30~13:30、14:30~20:30
- 8月20日(木) 10:30~18:30
- 8月21日(金) 10:30~13:30、14:30~20:30
- 8月22日(土)~8月25日(火) 10:30~18:30
写真展概要
| タイトル | 皆川 智彦写真集『東京坂道100景』発売記念 展示&イベント 写真展『東京坂道百景/手漉き和紙による四十四景』 |
| 期間 | 2026年8月19日(水) - 2026年8月25日(火) 10:00 - 21:00 |
| 場所 | 新宿 北村写真機店 B1F ベースメントギャラリー |
| 入場料 | 無料 |
プロフィール
皆川 智彦(Tomohiko Minagawa)
1962年山形県生まれ。坂道写真家。山形大学、東京総合写真専門学校卒。編集者を経てカメラマンとして活動。その後事業経営に携わり写真から離れたが、2022年に本格的な写真活動を再開する。六本木交差点近くで古い階段を目にした体験から、東京の坂道を「都市の記憶と未来が交差する異界」と捉え、撮影に取り組んでいる。2023年から2025年まで『デジタルカメラマガジン』デジタルフォト部門年間最優秀賞を 3年連続受賞。2025年にはプリント部門年間最優秀賞も受賞。2025年9月、写真展「都市に潜む異形の道/東京坂道三十六景」(キヤノンギャラリー銀座)を開催。その独自の世界観が高く評価される。